~Still~
「もう少し、このままでもいい?」

エレナが颯太の背中に腕を回しながら聞いた。

「……いいですよ。ちょっと拷問みたいですけど……」

「拷問?重い?」

「そうじゃないです」

颯太はエレナを甘く睨んだ。

「好きな女性とこんな風にベッドで密接してるのに、これ以上先に進まないままいるなんて、拷問だって意味です」

「……っ」

エレナが咄嗟に離れようと身を離した瞬間、颯太の両腕に力がこもった。

顔を赤くして狼狽えているエレナを見て、颯太は優しく笑った。

「前にも言いましたが、あなたが僕に抱かれたいと思うまで待ちます」
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