~Still~
「私、朝食作ってあげる」

「ほんとですか?!」

「待ってて」

エレナは斜めから颯太を見上げるとニヤッと笑った。

食材はこの間買ったから、大丈夫!

エレナは颯太の頬にキスすると、ベッドから出てキッチンへ向かった。

しばらくベッドの中で、エレナの温もりの余韻を感じていたが、颯太は嬉しくて勢いよく体勢を変えた。

……やった。

こんなに早く、エレナが俺に料理を作りたいと思うなんて。

颯太はベッドの中で思わず笑みをこぼした。

……でも。

馴れてないキッチンだし、手伝うか。

颯太はベッドの脇にひっかけていたシャツを手早く着ると、寝室のノブに手をかけた。
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