~Still~
嬉しい。

エレナが、俺を。

愛されている喜びを噛み締めながら、颯太はエレナの唇にキスをした。

「夢みたいです。めちゃくちゃ嬉しい」

エレナはキュッと颯太にしがみつきながら、微笑んだ。

「なに作る?私が作っておいてもいいけど」

颯太は先日の、エレナの目玉焼きと味噌汁を思いだし、慌てて首を振った。

絶対、俺がいないとダメだ。

「なに、感じ悪いけど!」

「気のせいです」

颯太は考えてから、慎重に口を開いた。

「……今日は、新作の冷酒が出来上がる日です。一本持って帰ってきますから、それに合うものを作りましょう」
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