~Still~
それは。

「色んなエレナさんを見たいし、僕の事も見てもらいたいからです」

エレナは、ゆっくりと微笑んだ。

「うん、行く」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

日曜日、都内の総合グラウンド。

「……いるいる!」

「いるわね、確かに子供達が」

颯太がニコニコと笑いながらエレナに言った。

「……実は、球場の予約が取れなくて、メンバーが、知り合いの少年野球チームの監督に頼み込んだんです。夕方1時間だけ、一緒に練習させてほしいって。日曜は、ここの区民の少年野球チームが優先的にグラウンドを使えるので、急きょお願いしたら、OKがもらえたんです」
< 162 / 351 >

この作品をシェア

pagetop