~Still~
皆を見回しながら、エレナは口角を上げて微笑んだ。

「古くからの知り合いなんですか?」

メンバーの一人が驚いたようにそう言うと、エレナは颯太を見ながら言葉を返した。

「かれこれ、六年ほど前からの知り合いなんです。どうぞよろしく!」

再び頭を下げたエレナを見て、各々が返事を返した。

「エレナさん、やっぱりやめた方が」

「どうして?邪魔しないから。3球だけ」

颯太は困ったように斜め隣をチラリと見た。

「……うちのピッチャー……木佐さんは凄く球が早いんです。女性には無理です」

「……」

「いーじゃん、颯太」

颯太の斜め隣にいたサングラスの男が、スッとエレナの前に立った。
< 165 / 351 >

この作品をシェア

pagetop