~Still~
「隆也でいい」

「OK、隆也!」

「呼び捨てかよ」

「あはは!ごめん。隆也くん」

「いいよ、呼び捨てで。じゃあエレナ、5分後な!」

「うん!」

ああ、バッティングなんて何ヵ月ぶりだろう。

凄く嬉しい。

たった3球でも。

思い思い素振りをする皆を眺めながら、エレナはその一人に声をかけた。

「あの、ちょっといい?」

「ん?」

人懐っこそうな男性が眉を上げてエレナを見た。
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