~Still~
「アクター顔負けの人気だったわよ?私、ビックリしちゃった」

エレナが、少し引いたような眼差しで颯太を見たから、彼は無意識に首を左右に振ってエレナの瞳を覗き込んだ。

「あなたといるところを撮られても、全然構わないし、寧ろ嬉しい」

「え?」

「僕の恋人が、こんなに素敵な女性だと、手っ取り早くみんなに自慢出来る」

「……!」

「なんですか?」

何ですかって、何ですかって……嬉しいけど、どうリアクションすれば……。

エレナは固まりかけたが、気を取り直して口を開いた。

「颯太くん、凄くかっこよかったよ」

エレナは、日本酒フェアでの颯太を思い出しながら言った。
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