~Still~
「もう、そろそろ帰るんでしょ?どうすんのよ、神谷颯太とは」

咲希が、エレナにわざとぶっきらぼうに問う。

「前にも言ったでしょ?…遠恋はしないし、約束もしない」

「アクトレスの決心は固いわけだ。いいの?後悔しない?」

エレナはちょっと笑った。

「今恋愛に走って夢を棒に振る方が後悔するわよ」

「……そっか。私や亜子には本音言っていいし、甘えていいんだからね!」

エレナは、咲希を見つめて笑った。

「ありがと!凄く心強い!」

「午後からの予定は?」

咲希が、気分を変えようとでも言うように、爽やかに尋ねた。
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