~Still~
理恵は、降りしきる雨に任せて思い切り泣いた。

泣きながら、エレナとの会話を思い返した。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「あなた女優でしょ?ちょっとはその驚き、隠せば?」

理恵は、カップを置くと真っ直ぐにエレナを見据えた。

「率直に言うけど、神谷颯太から手を引いてくれないかしら」

理恵は続けた。

「私、取材で彼と知り合ったんだけど、彼を気に入ってるの。
彼のが4歳も年下だけど、そんなの構わない。彼、凄く大人だし、外見も素敵でしょ?勿論、経済的にも文句なしだわ」

…………。

エレナは、酔ったように話す理恵を、食い入るように見つめた。
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