~Still~
エレナは、ニヤリと笑った。

「随分、彼に養ってもらいたがってるけど、あなたは自分の人生、男任せにしていいの?まだ20代よね?精神的にかなりフケてるのね」

理恵の怒りに満ちた眼差しを、エレナは侮蔑の表情で見返した。

「早く、颯太くんと連絡取れば?
駄目なら、次のカッコイイ金持ち、探さなきゃでしょ?あなたの話を聞いていると、神谷颯太という、ひとりの男を愛してるというより、彼の地位、名誉、話題性、経済力に随分惹かれてるようだけど。
…………せいぜい頑張って、高宮理恵さん」

エレナは言い終えると顎を上げて、思い切り冷やかな光を宿した瞳で、理恵を再び見つめた。

くっ……!

理恵が堪らず叫んだ。

「あなたは?!あなたはどうなのよ!?彼が貧乏でも愛するって誓える!?」
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