~Still~
亜子はケラケラと笑った後、両手で頬を挟み、眼を閉じながらクネクネと体を曲げた。

「いや、凄いと言えば、あんたと皇帝ネロのベッドシーンが、凄かったわ!
ヤバい、あれはヤバい!」

「こらっ!ヤバいヤバい言わないっ!私、必死だったんだからね!」

エレナは恥ずかしさのあまり、ビールを飲んでから、手を振り回した。

「この話、終わり!」

「やだ、終われない!エロすぎて、終われない!」

「ばか!」

「この映画観たら、神谷颯太は、嫉妬で発狂するね」

「ほんと、ほんと!嫉妬に狂って……」

エレナはチラリと二人に視線を送り、呟くように言った。
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