~Still~
隆也は気恥ずかしそうに微笑んだ。

「来週、結婚式なんだ」

「きゃー!」

「ばか!叫ぶな」

「だって!嬉しくて!あ、ねえ、スマホ、ムービーモードにして!新婦にメッセージ贈るわ!」

隆也は信じられないといった風に眼を見開いた。

「いいのか!?仮にもハリウッド女優だろ」

「仮にもは、余分だっつーの!!早く」

「あ、うん。なあ、結婚式でこのメッセージ、流してもいいか?」

「もちろん!新婦の名前は?」

「優姫」

「オッケ!ユウキね!」

エレナは小さく咳払いすると、スマホを構えた隆也の正面に立った。
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