~Still~
そこにはエレナが女優を志したきっかけがシェリル・シーマで、苦労しながらオーディションを受け続け、やっと彼女との共演を果たしたという記事が載っていた。

エレナは、二流役者などではなかったのだ。

愛する男と離れ、見事に夢をつかんだ城田エレナ。

きっと、簡単じゃなかったはずだ。

誰だって、愛する人と離れたくはないのだから。

高宮理恵は、エレナに追い付こうと身を翻した。

その時である。

「エレナさん!」

エレナはビクッとして、弾かれたように顔をあげると辺りを見回した。

颯太くん?!
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