~Still~

手厳しい女

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「どこかに行く途中だったの?」

走り出した車の中で、エレナは颯太に尋ねた。

「木佐さんから、電話があったんです。さっきまでエレナさんと飲んでたって。で、宿泊先がミッドタウン方向のホテルだときいて、もしかしたらと思ってRホテルに勤務している友人に電話してみたら、あなたが泊まってるって、特別に教えてくれたんです。だからホテルに向かってる途中でした」

エレナは、いまだにドキドキとうるさい心臓に手を置いて颯太の話を聞いていた。

「そ、そうなんだ……」

「時間、大丈夫ですか?僕の家に向かってますけど」

「時間は大丈夫だけど……」

颯太はホッとしたように肩で息をついた。

「よかった!あ、お腹は減ってますか?」
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