~Still~
甘やかで熱い颯太の息遣いに、心臓が煩いくらい騒ぐ。

「…颯太くんっ……」

エレナの体に、颯太の指が触れた。

その指先は、甘く優しく、時に男らしく野性的に動き、エレナは無我夢中で颯太の胸に顔を寄せた。

「エレナ」

吐息のような声で、颯太がエレナの名を呼んだ。

「……ん」

切なげなエレナの声に、颯太が艶やかな眼差しを向けた。

「俺のエレナ」

「……っ……!!」

互いの息遣いと密着した身体が熱くて、ふたりは夢中になった。
< 318 / 351 >

この作品をシェア

pagetop