~Still~
やがて抱き合ったまま身を起こすと、至近距離で見つめ合い、微笑み合った。

「……なに?」

「可愛い」

「ばかっ」

颯太はエレナを抱き締めて身体を揺らした。

「……っ!!」

「生意気言うと、このままメチャクチャにする」

颯太の艶かしい眼差しと、低い声がエレナの頬を染めた。

「颯太くんっ」

「エレナ……」

愛しくて狂おしくて、二人は眉を寄せて息を乱した。

幸せという名の果実を共に味わい、二人は強く手を握り合った。
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