~Still~
エレナは、少しだけ笑いながら颯太に言った。

「……馬鹿丁寧な喋り方、やめるんじゃなかった?」

フフッと颯太が笑った。

エレナの肩に息がかかる。

颯太はベッドに肘をつくと、ゆっくりと上半身を起こしてエレナを見下ろした。

男らしい眉の下の、綺麗な眼。

「言うのが遅くなったけど、映画出演ならびに、シェリル・シーマとの共演、おめでとう」

「……ありがと」

「けどすみません、まだ見てないんです」

「日本は、今日からだから。……というか、颯太くんにはあまり、見てほしくないかも」

「なぜですか?」
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