~Still~
エレナは、精一杯の笑顔を颯太に送った。

「応援してるから。だって、颯太くんのお酒、凄く美味しいもの」

「エレナ」

一瞬、ギュッと眉を寄せ、颯太はエレナを引き寄せた。

「いつもいつも、祈ってます、あなたの事を」

震える声でエレナは答えた。

「私も。私も、祈ってる」

「もう一度だけ……」

颯太は掠れた声でそう言うと、再びエレナにキスをした。

サヨナラのキスだと、エレナは分かった。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



1週間後の週末、 木佐隆也と優姫の結婚式に、颯太は出席した。
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