~Still~
「これから、どーすんだよ」

「取り敢えず、日本に行くわ」

「そっか」

エレベーターを降り、広いフロアの真ん中まで歩くと、エレナは荷物を受け取りながらジョーイを見た。

「あなたがオーディションの日付を間違えた時は本気で『死ね!』って思ったけど、もう喧嘩できないと思うと、今は寂しいわ」

ジョーイは、参ったと言う風に笑った。

「死ね!って思ったのかよ」

「当然でしょ」

エレナは微笑んだ。

「さよなら、ジョーイ!」

「ああ、元気でな、エレナ」

エレナは踵を返すと、エージェントのビルを出た。
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