~Still~
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「……僕の家でゆっくり話しましょう。そっちに回るから、待っててください」

エレナは頷いた。

しばらくして、バックヤードから客席へと続くドアを開けて、颯太はエレナの元へとやって来た。

「行きましょう」

エレナは、やっと少し笑った。

颯太はそんなエレナを見て、眉を上げた。

「なんですか?」

「懐かしくて。健斗から守ってくれた時もここでこんな風に」

……そうだ。

ここで、こんな風にエレナの腰に手を回して。

「あの時は、最初に肩を抱いて……」

颯太は照れたように笑った。
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