~Still~
「俺は、エレナじゃないと嫌なんだ。エレナと恋がしたい。エレナと愛し合いたい。
……許さないなんて、嘘だ。
自分の苦しかった気持ちを思い出して、意地悪を言ってしまって、ごめん」

颯太は苦笑いを浮かべた。

「ごめん、エレナ」

颯太は真顔でエレナを見た。

「誰よりもエレナを愛してるけど、俺が年下なのは、これからも変えられない」

エレナは、涙が出そうになるのをこらえながら言った。

「私ね、もう大丈夫だよ。ちゃんと、傷を治したよ。
年下だって構わないって今ならはっきり言える。
年下でも年上でもいいの、颯太くんなら」

颯太はエレナを抱く腕に力を込めた。

至近距離からエレナを見つめて囁くように言う。
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