~Still~
「マジですか!?やったあ!じゃあ、今度一緒に飲みましょう!」

「はい、是非」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

初めて食べた鱧は、雪のように白い身で美しかった。

それから鱧の出汁の味の深さに驚き、エレナはひとつひとつの鱧料理にじっと見入った。

「御馳走様でした」

鱧料理はどれも美味しかった。

二人は、綺麗に片付いたテーブルに置かれた湯飲みを両手で包み込んでいた。

「……」

「……」

……そろそろ、ホテルを探さないと。

そう。

バカな弟、玲哉のせいで、エレナは今晩泊まるはずだった部屋がなくなってしまったのだった。

弟の玲哉は、とんでもない不良であった。
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