~Still~
「エレナさん」

エレナがそこまで言った時、颯太がエレナの名を呼んだ。

「はい?」

「僕の家に来ませんか?」

「……はっ?」

胸がドキンとした。

「……もし、宿泊先が決まってないのなら、僕の余っている部屋をお貸しします」

エレナは驚いて颯太の瞳を見つめた。

その瞳は真っ直ぐにエレナを捉えていて、真剣だった。

「どうして?もしかして、誘拐……」

「違います」

「じゃあ、レイプ……」

「僕、犯罪を犯して女性を抱くほど不自由してません」
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