~Still~
タバコを床にぶつけるようにして捨てると、二人は外へと出ていき、後にはエレナと銀髪男だけが残った。

エレナは男子高校生のネクタイを掴んだまま、至近距離からその顔を睨んだ。

「大人を、バカにすんじゃないわよ」

「…………!」

銀髪男は息を飲んで、そんなエレナを見つめた。

「あんたさあ、高校生でしょ?!親に金払ってもらって学校行ってる分際で、何サボってんの?親の気持ち、踏みにじるんじゃないわよ。カッコ悪いっつーの!」

「…………」

……カブる。

不良で馬鹿な弟の玲哉と、凄くカブる。

エレナは、眼を見開いて何も言わない男を見ていたが、イライラして更に続けた。

「私、アンタみたいな男が一番キライなのよね。世の中、舐めんなよ!って感じ。しっかりしなさいよ!こんなところでサボってるなんて、人生もったいないわよ?!
夢とか、ないの?」

銀髪男は、やっと口を開いた。
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