~Still~
颯太に軽々と抱き上げられ、エレナはバクバクとうるさい心臓に困った。

颯太はエレナを抱いたまま奥の寝室を器用に開け、キングサイズのベッドにそっと彼女を横たえた。

キスをしながらエレナの体を撫で、服の裾から片手を入れた。

「……っ」

颯太の熱い指が直接肌に触れる。

キスの合間に甘い吐息を漏らしたエレナにゾクッとし、颯太は彼女の体を起こすとその瞳を見つめた。

キスで乱れた息と、窓から差し込んだ月の光りに照らされたエレナが綺麗で、それでいて淫らで、颯太は眩しくもないのに僅かに顔を傾けて、眼を細めた。

「エレナさん、あなたを抱いてもいいですか」

艶やかな低い声で彼女に問うと、颯太はスーツの上着を脱いだ。
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