~Still~
「じゃあ……ちゃんとしたら付き合ってくれるのかよ」

「そうね。
いつかあなたと私が再会した時、あなたがちゃんとしてたらね。しっかりと働いてて真面目で、私がそんなあなたに恋したら、付き合ってあげる。結婚だってしてあげるわよ」

「じゃあ、メアド教えろよ」

「ダメ!
その代わり、携帯貸して」

エレナは、颯太の携帯を受けとると、カメラを起動させて彼を呼んだ。

「来て」

そう言うと背伸びをし、颯太の首に手を回して頬を密着させ、片方の手で携帯のボタンを押した。

カシャンとシャッター音が響く。

「うん、いい感じ!」

身を屈め、エレナの頬に自分の頬が触れた颯太は胸が高鳴ったが、エレナはまるで恥ずかしがる様子もなく、携帯の画面を見ながら頷いた。
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