~Still~
瞬間、颯太の手がエレナの後頭部にまわり、素早く引き寄せた。

「っ……!」

それから反対の腕でエレナの腰をさらうように抱き、彼女に口づけた。

な、に、するの!?

エレナは、抵抗しようともがいた。

年下は、嫌だって……。

でも……。

ダメだ……酔う。

どうして?

この男のキスに酔うのは。

エレナは力を抜いた。

いや、抜いたのか、抜けたのかは分からない。

けど、この男の、夢中になってしまうようなキスのせいであることは確かだ。
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