~Still~
……昨日、夜景を見た後、見つめ合ってキスした。

それから俺は彼女を抱き上げて寝室へ。

俺の指先に、彼女は甘い吐息を漏らして……。

あのまま、写真が落ちなければ、俺は彼女を抱いてた。

彼女だってそれを望んでたはずだ。

けれど、俺があの時の不良だと分かった途端、熱い雰囲気は、みるみる冷めていって。

『年下とは付き合わないし、セックスもしない』

たった二歳の差。

けれど、彼女にしてみれば『年下』なのだ。

漠然と、過去の何かが原因なんだろうと思う。

過去の出来事に、決着がついてないのか。

颯太はそっと踵を返した。
< 75 / 351 >

この作品をシェア

pagetop