~Still~
30分走り、シャワーを浴びるとエレナは颯太のもとへと向かった。

アイランドキッチンに立つ颯太は、モデル並みにかっこよく、エレナはふと思った。

……初めて会ってから6年も経つのに、彼は私にまだ興味があったの?

本当に再会できるかなんて、分からないのに。

スラリとした長身も、男らしく端正な顔立ちも、二十代前半だというのに会社を設立して、経済的にも文句の付け所がない。

なのに、恋人はいないの?

きっと彼に誘われたい女性なんて山ほどいるに違いないのに。

エレナはゾッとした。

こんな男といたら、休まらない。

ずっと心配してなきゃならない。

集中出来ない。
< 76 / 351 >

この作品をシェア

pagetop