~Still~
真っ直ぐな眼差しでこちらを見て、真剣にそう話す颯太に、エレナは胸を突かれた。

この男は。

エレナはコクンと喉をならした。

この男は、本気で私と恋愛をしようとしているのか。

エレナは一言だけ聞いた。

「本気?」

私と、本気で恋愛したいの?

そう聞くつもりが、言えなかった。

颯太が即答した。

「本気です」

何の迷いもない颯太の瞳が、エレナを正面から捉える。

エレナはキュッと眼を閉じるとそれをゆっくり開けてからフウッと笑い、頷いた。

「朝食、ありがとう。いただきます!」
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