~Still~
年下は、ダメ。

颯太は、またしても暗い顔をして俯いたエレナを見つめた。

固い表情で皿に視線を落としている。

長い睫毛が羽みたいだと思いながら、颯太はエレナに話しかけた。

「何が食べたいか考えていてください。エレナさんの食べたいものを食べに行きましょう」

エレナは咄嗟に颯太を見た。

なんの曇りもない眼差し。

ああ、本当に、素敵だ。

颯太は、戸惑ったように自分を見つめるエレナを見て思った。

彼女の、恋愛に対して抱えている闇は一体どんなものなのか。

それを、俺が取り払い、彼女を救い出したい。
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