~Still~
「……」

咲希はニヤリと笑った。

「あんた、今、なに食べても恋の味するでしょ」

「はあっ?!恋の味?!」

エレナは眉を寄せた。

「絶対、運命の相手だね。あんただって神谷颯太に惹かれてるから、一緒にいるんでしょ?」

惹かれてる……。

確かにそうだ。

彼の、いつでも真っ直ぐな眼差しや、洗礼された仕草、くったくのない笑顔。

エレナは、颯太の男らしく端正な顔を思い浮かべた。

「でも、年下なんだよね」

咲希は真顔でエレナを見た。
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