恋のデザインは色鮮やかに。
なのに…。
身体は疲れて今すぐにでも眠りたいのに、脳は冴えていた。


昨日ナルに怒鳴るはめになった、椅子で突進しやがった出来事が脳を埋め尽くす。


イラストを描いている最中には思い出さないように、心の奥底へしまっていたが、気を抜くとすぐに出てきてしまった。


あの時、あまりの不意打ちの密着にそのまま心を持っていかれそうになった。


1度抱きしめた事があるがあれは自分からしたもので、それとこれとじゃ大きく違う。


あんなことで心を満たされ、乱されるとは思わなかった。


ナルは適当に遊んでるつもりなんだろうが…。


なんかそれも腹立つな。


ノリか?
ノリで、男にくっついてみよう!とかそんな感じか?


ナルとか篤人くらいの年代の奴らって、ノリで何でも乗り越えられると思ってる所ありそうだもんな。


うわー。
いつか強要されたりするのかな。
若いって怖い。


いや、そういう考えは捨てよう。
考えるな、感じろ!


俺はイラストレーターだ。
芸術家だ。


何事にも感じるままにぶつかっていく。
それが俺の生き方じゃないか。


だからとりあえず…寝よう。
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