恋のデザインは色鮮やかに。
「2人とも仕事は一段落ついたんでしょ?

だったら今日、今から、皆で飲みに行くわよー!


はい、準備して!
レイもたまには参加しなさいよ」


飲み会。
それは真央がこの世で最も好きな響き。


早く行きたいらしく、片付けをしているナルを横からせかしている。


真央は酔っ払ったら誰彼構わずに絡んで、次の日には記憶を無くしているという最悪の流れをとる。


絶対に行きたくない。


そもそも俺はひきこもり体質だし、会社の飲み会に参加したのも1度だけ。


酒も苦手だし、誰が何と言おうと行かない。


「レイさんも行きましょ」


「え…」


今固めたばかりの意志が、すぐに砕かれようとしている。


ね?と、顔を覗き込まれる。


「ナルが行くなら行く」


半分冗談、半分本気でナルの耳元で囁いてみる。


「う、うんっ、行きましょう」


顔を赤らめて慌てる様は、目に焼き付けておきたいほど可愛い。


ヤバい。
俺がからかったはずなのに、本気で可愛いとか思ってしまっている。


まぁ、満足できたから文句はないけど。
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