恋のデザインは色鮮やかに。
はぁ…。
懲りないバカがここに1人いた。


「間失礼しまーす」


グラスを持って割って入ったのは、ナルと三木の間。


「え、え!
レイさん来てたんだ…。

てっきりまた不参加だと」


「あ?俺が不参加ならどうするつもりだったんだ?

この変態。どけ」


三木を隅へ追いやるが、その場から動こうとしない。


「ぼ、僕が先にナルちゃんの横に座ったんだ。
レイさんはいつも仕事で一緒なんだし、今夜くらいナルちゃんが僕の相手をしたって良いだろ」


あぁ!?


「お前がナルちゃんとか呼ぶな。

それに、わざと変態的な言い方してんじゃねーぞ、吐き気がする」


「あの、何を話してるんですか?」


気になったのか、ナルが俺の背中越しに様子を窺おうとするが、俺としては三木の目に触れさせたくない。


「あぁ、ちょっとな」


「ナルちゃんからもレイさんに言ってくれよー」


ナルを隠す俺を飛び越えて声を送ろうとする三木。


あー、声すら届かないようにしてやりたい。


「え?」


俺達の会話は聞こえていないらしい。
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