恋のデザインは色鮮やかに。
「だからその呼び方やめろって言ってんだろ。
成河さんと呼べ。

潰すぞ」


なんで俺はこんな中年メタボおやじと睨み合ってるんだ…。


どう考えたって負けるわけないのに。


「少しくらい…成河さんと仲良くしたっていいじゃないか」


「仲良くだぁ?

お前の頭の中でどんな妄想が繰り広げられているかくらい、簡単に想像つくんだよ」


「そ、そんな。
へへ変なことなんて、考えてない!」


なんだ慌てっぷりは。
俺の想像の範疇を超える妄想をしてたんじゃないか?


その時、三木の鞄が目に入る。


「おい三木。

これはなんだ」


三木の鞄からはみ出ていたものをつまみ出す。
そこから出てきたのは猫耳のついたカチューシャ。


こいつこんな物騒なもの持ち歩いてんのか。


「さ、触るな!

それはナルちゃんに…はっ!」


奪い返そうとする三木に渡さないよう、ひょいっと持ち上げる。


聞き捨てならないのが三木のポロっとでた言葉。
< 134 / 250 >

この作品をシェア

pagetop