恋のデザインは色鮮やかに。
「“続く”って賭けてくれたのは誰?」


「俺だけだよ」


ビール片手に爽やかな笑顔で現れたのは樋口。


「3人ともジュース飲んでるんだね」


たしかに。
篤人はいいとして、酒が苦手な俺とナルの2人もしれっとジュースを飲んでいる。


「わー、樋口さんだけが私がレイさんの担当を続けられるって信じてくれたんですね!
感動です!」


「あぁ、まぁね」


本当に感動しているらしく、うっとりした瞳で樋口を見上げている。


「おい、兄貴。
こいつすぐ騙されるじゃん


今回は全員が“続かない”に賭けたがったんだよ。
でもそれじゃ賭けにならないから、じゃんけんで負けた樋口さんが“続く”に移されたんだ。

みんなナルがすぐに辞めると思ってた」


一気な目から輝きが失われる。


「そんなぁ…。

誰も…誰も、私が続くと思ってなかったなんて…」


「ごめんね」


樋口が優しく謝っているが、ナルがどん底にいるのは俺にとって最高に都合が良い。


「よしよし。

そんなことない。
俺はナルが辞めないって確信してたから。
俺はナルの味方だから」


「うぅー、レイさーん!

一生ついていきますー」


ポンと頭を撫でると、嬉しそうに抱きついてくる。


うんうん。
全てが上手く進んでいる。
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