恋のデザインは色鮮やかに。
「ナル、逃げるぞ」


先に歩き出すと、え?と困惑しながらもちゃんとついてきている。


「真央さん達、いいんですか?」


「どうせ明日になったら覚えてないんだからいいよ」


飲み屋街を抜けて、夜風が心地よい道を2人で並んで歩く。


「あの、レイさん…」


小さく呼ばれて振り向くと、ナルが足を止めて煌めいた瞳でこちらを見ていた。


な、なんだ?
そう見つめられると平常心じゃいられない。


「あの、私…」


待て。
そんな言いにくそうに、何を言おうとしてる?


具体的に何かはわからないけど、期待している自分がいる。


「私、大好きです。

レイさんのイラスト」


…あー、イラストね。


褒められているのになんだ、このガッカリ感は。
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