恋のデザインは色鮮やかに。
「はぁ、まったく…。


あ、そうだレイくん。
もうすぐ若手イラストレーターのコンクールがあるから、その作品を描き始めてくれ。
ナルちゃんもよろしく」


社長にそう頼まれる。


「コンクールなんてあるんですか?」


初めて聞いた。
この世界にはまだまだ私の知らないことが山のようにあるようだ。


「そう。
今回は若手のイラストレーターだけのものなんだ。

去年はたしか、過去に描き溜めてたイラストを出したんだったよね」


「今年もそれでいいだろ」


え、新しく描かなくてもいいの?
コンクールなのに?


「倉庫にあるの見てくる」


レイさんはそう言って倉庫へと行ってしまった。
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