恋のデザインは色鮮やかに。
「つまんない」


「え?」


「そんな自分にできることばっか考えて、新しいことには挑戦しないで現状維持をしてるのってつまらないだろ。

時代は流れてるんだ。
現状維持だと置いていかれる。

俺はごめんだね。
自分のやりたいことができない職場なんて。」


「仕事ってそういうものなんじゃないですか?

必死に汗水流して働いて、そのなかで見つけた小さな喜びを次に働く糧として、大きな目標を達成する。

そうして、あの日のきつい仕事も頑張って良かったって思える時が来る。

そういうものだと思いますけど」


まともに働いてなさそうなこの人に言ったところで、伝わらないだろうけど。


「ふっ、甘いな女子大生。

そんな朝ドラみたいな台詞が通じるのは社会に出てない奴らにだけだ。

社会はそんなに都合よくできてない。

やりたくもない仕事のなかで見つけられる喜びってなんだ?

大きな目標を達成し終える前に人生が終わる。

これが社会人の先輩としてのアドバイスだ。
その麻痺した心に刻んでおけ」


…私はなんでこんな人に社会というものを説かれているんだ?

甘いなって、好きなことして生きていこうなんて言ってる方が何倍も甘いでしょ!?

私は現実的なはず…。
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