恋のデザインは色鮮やかに。
「ナルちゃん。


ナルちゃんは俺を困らせる天才だね」


頭をくしゃくしゃと雑に撫でられる。
申し訳なさで一杯な所に、恐怖心が芽生える。


「ほ、本当にごめんなさい」


ぐわんぐわんと頭を揺らされるが、謝ることしかできない。
迷惑をかける天才だと言われても、反論できる立場でない。


何をやってるんだ私は…。


それからは仕事も手につかず、気がつけばベッドの上で毛布にもぐりこんでいた。


本当に最悪だ。
今までのレイさんのイラストが入ったデータをなくすなんて。


担当としての自覚が、責任が、欠落している。
クビくらい覚悟しなきゃいけない。


今回ばかりは、自分を責めても責めたりない。
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