恋のデザインは色鮮やかに。
「文句があるならこんなことしないで、言えばいいだろ。

データの件も、このパソコンも、ナルまで巻き込むな」


そのレイさんの言葉に、どうしようもなく悲しくなった。



もしも、私がレイさんの担当を続けていたら、こんなふうに言ってくれていたのかな?

いや、たぶんそうなならないよね。


きっと、相手がナルさんだからだろうな。
他の誰かじゃ駄目なんだろうな。


あー、悔しいな。
私は何をしてもナルさんには勝てない。


「ナルさんは…?」


「帰らせた。
そろそろ犯人がこの部屋に現れるかもしれないと思ったからな。


この会社の人間がデータを消したんだって話したら、そんなことはないって言ってた。
会社の人を疑いたくないって」


「はぁ…。
お人好しですね、ナルさんは。

レイさんがここにいなければ、今夜だって上手くいってたのに……」


諦めからくる笑みが声に含まれる。
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