恋のデザインは色鮮やかに。
そのまま時計の針はてっぺんまで回る。




「お昼食べてきまーす…」


そう言い残して会社を出る。


来たのはいつか篤人君と一緒に食べに来た定食屋さん。


日替わり定食を食べはじめてから暫く。


「相席しても大丈夫ですか?」


「あ、はい。どうぞ…、あ…」


向かい席に座った人を見たとき、素直に驚いた。


「青山さん…。

え、どうしたんですか?」


疑いの眼差しで青山さんを上から下まで見る。


ブランドもののスーツを着ている人が、わざわざ自分の勤めている会社から離れた定食屋に来る。


そんなの何か特別な理由がないと起こり得ない現象なはず。


その特別な理由とは…?
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