恋のデザインは色鮮やかに。
「そうですか…。


でも私、まだ担当を始めたばっかりで…。
青山さんにはもっと出来る人がついた方がいいんじゃないでしょうか?

タワーワークスになら、有能な人材は揃ってるでしょ?」


「たしかに揃ってる。
仕事をスピーディーにこなす人も、あらゆる知識を持ってる人もいる。


そんな人たちに囲まれながら、成瀬さんは成長したいと思いませんか?

もちろん永久にという訳ではありません。
3ヶ月間の契約でと考えています。



それは…そうかも。


青山さんの担当として短期間でも働くことができれば、それは多くのことを吸収できる期間になる。


イクタデザインでは学べないことを学べるはず。


「今回のコンクールだって、成瀬さんの担当としての腕があれば、秋野に新しいイラストを描かせることができたかもしれない。


秋野が本気で描いていれば、優勝の可能性だってあった。
あくまで可能性だがな」


耳が痛い言葉だった。


私なりにあのイラストは時間をかけて選んだつもりだったけど、力を入れるべきはそこじゃなかった。


私がもっとしっかりした担当だったら、レイさんはイラストを描いてくれていたかもしれない。


3ヶ月間、青山さんのもとに行くという選択は、ありなのかもしれない。
< 191 / 250 >

この作品をシェア

pagetop