恋のデザインは色鮮やかに。
エレベーターを降りて突き当たりの部屋。
様子をうかがいながらそっと扉を開く。


「おじゃましまーす…。

うわ、すごい」


そこはまるで高級ホテルの一室。
大きな窓ガラスからは外の眺めが映っていて、値段なんて想像つかないふかふかの広い絨毯が敷いてある。


「こんにちは。

よく来てくださいました。」


爽やかに現れたのはスーツを着た青山さん。


「こんにちは…。


あの、ここが仕事場ですか?
その…綺麗すぎるというか…」


「えぇ、ここですべての作業をやりますよ。

パソコンがあれば描けるので」


そうだ。
たしかに、そうだ。


パソコンがあればほとんどのイラストは描くことができる。
多くても他に筆などがあればいいのかもしれない。


だったらなぜ…
レイさんと私の仕事部屋はあんなに物が散乱しているんだ。


マグネットや使った資料など…
あの部屋には物が多すぎる。
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