恋のデザインは色鮮やかに。
「で、成瀬さん。

成瀬さんには僕のスケジュールを管理してもらいたい」


「はい、わかりました」


次の日からの仕事の打ち合わせの日程などをメモにとっていく。


さすがは人気イラストレーター。
雑誌の取材なんかもスケジュールに入ってくるなんて。


でも、スケジュールの管理を頼まれたということは、それ以外の仕事には口出しするなよ、という意味かもしれない。



早速次の日、依頼者との打ち合わせに同行させてもらって気づいたことを頭のなかにメモしていく。


それから会社に戻ったのはもう夜の8時を過ぎていた。


「ナル!」


部屋に入ったとたん聞こえた声。
聞き覚えがあるどころではない、馴染みすぎるその声。
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