恋のデザインは色鮮やかに。
「惑わさないで。
就活生が合コンなんて、ナメてるって思われる」


「そう?
社会人と話す機会が持てれば、そこから人の輪が広がるかもしれないよ?

そもそも刺激になるじゃない」


沙織は思い立ったら即行動するタイプ。
その努力のお陰で様々な成功を手にして来た人だ。


人の輪に積極的に入らずに眺めているだけの私とは大違い。


だけど、沙織とは入学してからすくに気が合って、それから毎日のように一緒にいる。
お互いに知らないことなどないほど仲が良い。


そう。
沙織は知っているのだ。
私が押しに弱いということを。


「行こ」


沙織は天使のような笑顔でぐっと私を見つめると、そこから目を離さなかった。
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