恋のデザインは色鮮やかに。
「レイ、入るよ」


う…。


扉を開けた瞬間に漂う負の空気。


吐き出した毒は部屋中に立ち込めて、レイにも、そして俺にもまとわりついている。


ベッドに座るレイは、地底の奥深くにいるかのように暗かった。


昨日との振り幅が広すぎるだろ。
ここまで落ち込むとは思ってなかった。


「おい、大丈夫か?

ナルちゃんに戻ってきてほしいなら、レイがしっかりしとかないと。
そんなんだと、一生戻ってきてくれないぞ?」


「一生?

あぁ、来世でまた会えるなら…今この人生で会えなくても…」


ヤバい!
発想が極端に危ない方向に向いている!


「おい、待てって!
レイが戻ってきてほしいって伝えれば、ナルちゃんは戻って来てくれるはずだよ」


「そんなこと言えるかよ!

ナルを説得するのは違うんだ。
自分から戻ってきたいって思ってもらわないと。


ナルは…俺が裏切ったとか言ってるから、その辺をはっきりさせないと…。


はぁ。
やっと最高の担当を見つけたと思ったのに。
結局こうなんのか。


何をしてでも繋ぎ止めておくつもりだったのに。
こうなるんなら閉じ込めておけばよかった」



…。


その病んだ表情だと、冗談なのか本気なのかが全くわからない。


やめてくれ。
同僚が監禁とかストーカーとかで犯罪者になるのはゴメンだからな。
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