恋のデザインは色鮮やかに。
「何もわかってないだろ?

伊藤のせいでナルは青山の所に行ったかもしれないんだぞ?
どうしてくれるんだ」


「イラストのデータを消したのが私だってこと、ナルさんも知ってるんですもんね。
そりゃ、私の顔なんて見たくないと思います。


ただ…私がナルさんの立場なら、レイさんの担当をやめたりはしませんよ」


「この状況でよくそんなこと言えるな」


データを消した?
2人は何の話をしてるんだ?


しかもお互い妙に喧嘩腰だし。
それに、伊藤が人を挑発するようなことを言ってるのは初めて聞いた。


伊藤は、レイの担当をやりたがってるのか?


その疑問には偶然にもレイが答えてくれた。



「伊藤は、別に俺の担当になりたいんじゃないだろ?」


「そんなことないです。
なりたいですよ」


「言っておくけど、俺はイラストレーターとして、担当は恋愛対象にはならない」


え、そうなの?


「え…」


じゃあ、え。
ナルちゃんのことはどうなるんだ?
恋愛対象じゃないとは思えないだけどな。
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