恋のデザインは色鮮やかに。
次の日、俺はもうすぐ行われる展示会に出すイラストを描いていた。


なんだか伊藤といると勝手に気まずさを感じてしまうが、伊藤の様子に変わりはない。


部屋を出ると、篤人が寄ってきた。


「大変だ。
兄貴が展示会に出すイラスト描いてる!」


それはたしかに大変だ。


「描いてる?

毎年描き溜めてたものを出してたのに?
新しく描くなんて…とうとう壊れたか?」


今までそんなことなかった。


それに今回に限っては、社長も最悪ナルちゃんが戻ってくるまで、レイは仕事に手がつかないだろうと思っていた。


それが…どういうことだろう?


扉を少し開いて覗いてみると、本当にイラストを描いている。


どうするつもりなんだろう…?


レイのらしくない行動は、荒れている時よりも落ち込んでいる時よりも皆を心配させた。
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